ナポリタンは戦前から存在した

ナポリタンは戦前から存在した

ちなみに荒田氏の料理人生は、1895年(明治二十八年)生まれ、横浜居留地の外人ホテルでフランス料理を身に付けました。その後、ニューグランドではワイル氏を補佐する日本人料理長のトップとして腕を揮い、戦後は政財界御用達の高級フランス料理店の料理長を歴任。

 

日本洋食界の大御所として多くの弟子たちを育て上げたのです。横浜居留地の外人コックの下で修業し、ニューグランドで当時最先端のエスコフィエとア・ラ・カルトの西欧各国料理を身に付け、戦後は街場のレストランの第一線で西洋料理を作り続けた荒田氏は、日本のフランス料理と洋食の発展に大きく関与した人物として、その言葉にも重みを感じます。『荒田西洋料理』は全部で8巻あり、当時の西洋料理全てが記載された決定版のような存在だったので、西洋料理のコックたちにとっては必需品だったそうです。

 

レシピや定義などは長らく日本でもスタンダードにありました。(ちなみに、かなりの重版に重版を重ねて出回ったので、今でも古書店に行くと簡単に手に入ります)以上のことから、「スパゲッティ・ナポリタン」はフランス料理を起源とするトマトソースで味付けをしたスパゲッティのことであり、そのナポリタンがトマトケチャップを使った料理に後から変化したものだということが分かります。そしてニューグランドでは、戦前すでにア・ラ・カルトで「ナポリタン」として出していたのです。

 

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