戦前のニューグランド

戦前のニューグランド

「その頃、ホテルの料理は定食がほとんどだったんだけど、ワイルさんは、ダイニングルームのほかに、グリルルームを作ったのね。そこで、ア・ラ・カルトを出していたんです。(中略)スパゲッティナポリタンだとか、ご飯をグラタンにしたドーリアなんか、ワイルさんがはじめて出したんですよ。いま、われわれがちょっと、軽くスパゲッティ一皿なんて食べられるのは、ワイルさんのおかげなんです」と小野氏は述べています。※6    

 

横浜ホテルニューグランドは日本の西洋料理界におけるア・ラ・カルトの元祖であり、ニューグランドのア・ラ・カルトの評判が広まるにつれ、帝国ホテルはじめ他のホテルでもこぞってグリル・ルームを新設し、レストランでア・ラ・カルトを提供し始めたのです。このことからも戦前のニューグランドでは、スパゲッティ・ナポリタンをカルトで提供していたことが分かります。実際に、1934年(昭和九年)1月27日のニューグランドのア・ラ・カルトメニューを見ると、野菜料理のところに"Spaghetti Napolitaine"が記載されています。